フランスの食事

パリ季記―フランスでひとり+1匹暮らし (天然生活ブックス)

パリ季記―フランスでひとり+1匹暮らし (天然生活ブックス)

 この本は,フランスのパリで過ごして思ったこと,パリの現実などがかなり書かれており,たいへん興味深い.お堅い本ではないので,するすると読めます.
 その中でもとくに食事に関しての記述が多い(食事は生活に於いて大変重要な部分ですし当然かもしれません).フランスの人々と日本の人々の食事に対する考えかたの違いや,食事から派生する様々な事について(例えば,食べ物の売られ方や,捕食者と被補食者の関係,そして美容など)考えさせられます.

 まず,フランスでの「美食」とは,「大食」「飽食」ではなく,「食事を(その時間も含めて)楽しむこと」.テレビを見ながらポテトチップスなんてありえないらしい.
 また,朝市(マルシェ)では「ウサギ」がそのまま売られていたりと,食事は「生と死」の教育の場でもあるようです.

 美容に関しては,次の文章に全てが詰まっている気がします.

フランスでは、ただやせている、というのは「細い人」という事実のみで、「美しさ」には直結しない。魅力的な人であるというのは、自分をバランスよく管理できる充実した内面を持つことなのだ。

 もちろん,フランスの全てが良いわけではありませんが(実際,この本もフランス・パリの影の部分がかなり書かれている),食事を楽しまない(or 楽しめない)人々(私含む)が増えている日本からすると,すこし羨ましいとも思いました.